第21回櫻井健二郎氏記念賞
(2005年12月2日掲載)




櫻井賞受賞者記念写真
    「櫻井賞受賞者記念写真説明」
    (前列左から)
    細川速美 氏 (受賞者:オムロン株式会社)
    伊藤隆一 氏 (光産業技術振興協会 専務理事)
    田中昭二 氏 (櫻井健二郎氏記念賞委員会 委員長)
    内田禎二 氏 (櫻井健二郎氏記念賞委員会 主査)
    増原 氏宏 (受賞者:大阪大学)

    (後列左から)
    佐々木孝友 氏 (受賞者:大阪大学)
    森 勇介 氏 (受賞者:大阪大学)
    細川陽一郎 氏 (受賞者:(独)科学技術振興機構)
■第21回櫻井賞 細川、増原そのほか2グループに■

 第21回(2005年度)櫻井健二郎氏記念賞は、オムロン株式会社の 細川 速美氏、ならびに大阪大学の増原 宏氏、佐々木 孝友氏、森 勇介 氏、細川 陽一郎氏のグループに授与された。

 櫻井健二郎氏記念賞は、当協会の理事であった故櫻井健二郎氏が光産業の振興に果たした功績を讃えると共に、光産業および技術の振興と啓発を図ることを目的として創設したもので、過去20回で16名の個人、22グループ、延べ84名が受賞している。

 今年度の櫻井賞は、光産業および光技術の分野において先駆的役割を果たした1995年以降の業績を対象に、応募14件の中から厳正に選考された。

 受賞の栄に輝いたオムロン株式会社の細川 速美氏の受賞理由は『ポリマー光導波路 の開発と実用化』に関するもので、 ナノインプリント(複製)法の加工精度、平坦性を高める ことで低損失のポリマー光導波路を作製する技術を開発し、金型を利用する光導波路の大量生産 、低コスト化に道を拓いた。適用対象として光アクセス系用光部品、情報機器内の光配線を推進 するほか、今後バイオ分野での光計測、光インターコネクション等への展開も有望であり、 光産業の発展に対する重要な貢献と認められる。」というものである。

 一方の大阪大学の増原 宏氏他の受賞理由は『「フェムト秒レーザパルスによる蛋白質の結晶化』 に関するもので、レーザーアブレーションの分光学的研究及び分子論的メカニズムの研究と、 低過飽和溶液中での有機結晶核の発生制御研究の成果に基づき、高出力フェムト秒レーザパルス を蛋白質溶液に集光することにより結晶化を図る全く新しい方法を考案し、 蛋白質の高品質な結晶化に初めて成功した。人の遺伝子解明はほぼ終了し、 多様な蛋白質の構造解析・機能の解明が焦眉の問題となっている現在、 本研究はレーザーのバイオ応用に新たな道を開拓しており、蛋白質の結晶解析を通じて 生命科学分野に大きなインパクトを与えている。」というものである。

5氏に対する表彰は、2005年12月1日に開催された第25回光産業技術シンポジウムの終了後に行われた。櫻井健二郎氏記念賞委員会田中昭二委員長(超電導工学研究所長)から経過報告の後、賞状、メダル、賞金が各受賞者に手渡され、引き続き受賞者を代表して細川氏および増原氏より謝辞が述べられて表彰式を終了した。


櫻井賞受賞者リスト(HTML)(PDF)

OITDA