No.478
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(火) |
「マルチモード光ファイバを用いた車載高速光通信とRadio over Fiber」
矢崎総業株式会社 技術研究所 高周波伝送技術研究部 光通信技術研究チーム
チームリーダー相葉 孝充 氏
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(内容)
マルチモード光ファイバ(MMF)は大きなコア径を有することから光接続に高精度な調心作業を伴わず、低コスト化に向く中短距離光通信システムの伝送媒体として用いられており、車載用光通信システムとしても欧州を中心に採用されてきた。近年はADASの機能向上、移動通信システムを活用したコネクティッドサービスの普及により、車載ネットワークの情報量も増加しており、それらに対してマルチギガビット光伝送に向けた標準化が進められている。また5G以降の移動通信システムではデータレートの大容量化やカバレッジエリア構築技術として周波数利用効率の高いAnalog Radio over Fiber(A-RoF)の活用も検討されている。本講演ではMMFを用いた車載高速光通信の変遷と動向、5G/Beyond5Gに向けたRoFについて紹介する。
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No.479
4/25
(火) |
「ペロブスカイト太陽電池:実用化に向けた開発研究の最前線」
京都大学 化学研究所 複合基盤化学研究系 分子集合解析研究領域 教授
(株)エネコートテクノロジーズ 取締役
若宮 淳志 氏
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(内容)
ABX3型のペロブスカイト半導体を用いた太陽電池が、次世代の太陽電池として注目を集めている。本太陽電池は、材料の溶液の塗布成膜など低温プロセスで作製可能であり、フィルム基板を用いることで、軽量・薄型・フレキシブルな太陽電池を作製することができる。我々はこれまでに、材料化学の視点から、ペロブスカイト太陽電池の高性能化に取り組んできた。2018年には、得られた成果をもとに、大学発ベンチャー(株)エネコートテクノロジーズを設立し、本太陽電池の実用化に向けて開発研究に取り組んでいる。本発表では、我々の研究成果を中心に、ペロブスカイト太陽電池の原理や用いる材料の開発研究について紹介する。 |
No.480
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(火) |
「空間分割多重技術を用いた次世代光ファイバ通信技術の研究開発動向」
株式会社 KDDI総合研究所
先端技術研究所 光部門
執行役員釣谷 剛宏 氏
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(内容)
マルチコア光ファイバ等を用いた空間多重伝送技術が次世代の光ファイバ及び光ファイバ伝送技術として注目されている。既存のシングルコア光ファイバは、これまで新たな伝送方式にマッチする形で広帯域化や低損失化の観点で進化し実用化されてきた。Beyond 5Gやデジタルツインの実現に向けては、既存ファイバの伝送だけでは容量限界を迎えつつあり、新たな光ファイバ伝送技術の出現が求められている。新たな空間多重技術の適用によりこれまで既存システムの100倍以上に当たるファイバ1心当り毎秒10ペタビットの大容量伝送の可能性を確認している。本講演では、これまでの空間多重伝送技術に関する研究開発を俯瞰しながら、実用化に向けた最新の研究開発動向を紹介するとともにその展望について述べる。
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