本稿では，赤外光・ミリ波およびテラヘルツ波に関する国際会議であるIRMMW-THz 2025におけるテラヘルツ波関連の研究動向を中心に報告する。本会議は，赤外光からミリ波領域にわたる広範囲を対象とし，学術上の新たな知見を報告する基礎研究から，それらを応用した信号源や検出器，光学素子などの各種デバイス，計測システムに関する研究開発，社会実装へ向けたリモートセンシングや無線通信などの産業応用に関して，多岐にわたる講演がなされた。テラヘルツ帯を用いた高速無線通信への注目が集まる中，電子デバイスのアレイ化による高出力化や位相制御，出力および周波数，位相計測技術，AIの活用が広がっており，テラヘルツ帯域の電磁波の活用が一般的になっていくことを期待させるものであった。